戦場では、敵味方を識別し、家門の団結を図り強い軍団を形成するために「旗印」や「家紋」が活躍する。
「旗印」で有名なものに武田の軍勢が旗めかした「風(ふう)林(りん)火山(かざん)」がある。また古く楠正成は「非理法権天(ひりほうけんてん)」の旗印を、そして越後の上杉謙信は「毘(び)」という軍旗を掲げて川中島に出陣した。近くは秀吉の「千成(せんなり)瓢箪(ひょうたん)」が有名である。
しかし家紋は、数の多さでは旗印の比ではない。一つの軍団で旗印は一つであるが家紋は無数にある。そして武将の紋も限りなく多い。
それにしても武将の紋は、優しい。
荒々しい戦国の世にあっても家伝来の紋はやさしく、植物、特に花の紋も多く見られる。
天下人三人の家紋、例えば信長の紋は「木瓜」、秀吉は「五七の桐」、そして家康は「三つ葉葵」を使った。
古く南北朝時代に活躍した楠正成は「菊水」紋であったし、武家の棟梁・源氏の紋は「笹竜胆」と、いずれも花である。
明智光秀は桔梗紋、井伊家は橘紋、加藤清正は戦いでは蛇の目紋を使っていたが、慶事では、桔梗紋を使っている。かの武田信玄は菱紋を使用し、上杉家は雀紋を使っていた。決して鷹や鷲などの猛禽ではない。
このように戦国武将の多くは、優しい紋を使っている
武将名 | 家紋 | 家紋名 |
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伊達政宗 | 仙台笹 | |
直江兼続 | 愛 | |
武田信玄 | 武田菱 | |
上杉謙信 | 上杉笹 | |
織田信長 | 織田木瓜 | |
徳川家康 | 三葉葵紋 | |
前田 | 加賀梅鉢 | |
豊臣秀吉 | 五七の桐 | |
石田三成 | 大一大万大吉 | |
明智光秀 | 桔梗 | |
真田幸村 | 真田銭 | |
佐竹義宣 | 五本骨に月丸 | |
加藤清正 | 蛇の目 桔梗 | |
片倉景綱 | 九曜 | |
竹中重治 | 丸に九枚笹 | |
島津義弘 | 丸に十字 | |
毛利元就 | 一文字三つ星 | |
北条氏康 | 三つ鱗 | |
近藤勇 | 丸の内に三つ引き | |
土方歳三 | 左三つ巴 | |
沖田総司 | 中輪に四方木瓜 | |
坂本龍馬 | 組み合わせ角に 桔梗紋 |
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中岡慎太郎 | 丸に綿の花 | |
柴田勝家 | 雁金 | |
朝倉敏景 | 三つ盛木瓜 | |
斉藤道三 | 二頭立て波 | |
福島正則 | 福島おもだか | |
山内一豊 | 中輪に土佐柏 | |
黒田官兵衛 | 黒餅 | |
足利義氏 | ||
浅井長政 | 三つ盛亀甲 | |
源氏 | 笹竜胆 | |
平家 | 上羽蝶 | |
楠木正成 | 菊水紋 |